一冊の本

2003年6月5日
ビッグママから1冊の本を借りた。
私が好きな監督の本。

初めて店に面接に行った時、私はドキドキして緊張しっぱなしだった。
うちの店は気軽に入れるような雰囲気が全くない。
どちらかというと「一見さんお断り」みたいな風格が漂う感じ。
だから、この店で働くことが怖かった。

「映画、好きなの?」
ビッグママは私の履歴書をちらっと見て、一言聞いた。
「はい。特に昭和20年後半の作品が好きです」
私は気軽な気持ちで答えた。

しかし、この一言が私が採用される決定打になるとは。。。

私が働く店のお客様のほとんどは社会的にも地位のある方ばかり。
=オジサマ・おじいちゃまというわけ。
元々、おじいちゃん子だった私はこの世代の方とお話するのが好き。

戦争の話や古い映画の話。
昭和30年代の日本の話になると何時間でも話を聞いていたい!と本当に思っちゃう。
小さい頃、おじいちゃんと一緒に炬燵に入って過ごした時間が一番好きだったし。
笠智衆大好きだし(笑)。

もしかしたら、私がこの店に入ったのは運命だったのかもしれない。
この店だから私は働くことができたのかも。。


ビッグママは怖いけどそれ以上に優しい人だ。
ただのバイトである私が言った一言を忘れないでいてくれる。

本を借りた時、私、本当に嬉しかったんだ。
ビッグママは私を見てくれてるって思えたから。


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